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機械に頼らず人の手で介助し、薬でなく心で寄り添う介護を目指すRX組代表・青山幸広さんのコラム第2弾です。新しい介護との出会い、そしてセミナー主催などについて執筆いただきました。

新しい介護の実践(全3回)

有限会社「ケアプロデュース RX組」代表
青山 幸広(あおやま ゆきひろ)

第2回 「オムツ外し学会」セミナー

「じっちゃん、ばっちゃんをいじめる奴はオラが許さねえ!」と年寄りたちを守るためにRX組を立ち上げたが、ここまでくるまでには挫折もあった。そんな迷いの時に三好春樹先生(生活とリハビリ研究所主宰)が編集している雑誌「ブリコラージュ」を手にする機会があった。そこには、これまでに見たこともないような、自立を促すための生活に密着したやり方が満載されていて、俺自身がいままでなんとなく目指していたこと、まわりとの違いに戸惑いながら感じていた疑問が、すうっと解けていった。

「なんだ、自分のやろうとしていたことって、当たり前のことだったんだ。やってよかったんだ」おかげで迷いが断ち切れた。

写真:青山幸広さん
「生活とリハビリ研究所」主催のセミナーは、いつも熱意あふれる参加者たちでいっぱいだ。指導中の青山講師(中央の青いTシャツ)を見つめるその目は真剣だ。

現在、介護技術セミナーの講師としても、全国を回っているが、当時、雑誌を見て早速参加したのが、「オムツ外し学会」というセミナーだった。そこで、三好先生の講義を受けたのだが、参加者は、みんな、自分たちの手で、新しいあたりまえの介護を作っていこうという熱意にあふれていて、「失禁は長生きの証し」「呆けは問題行動ではなく、生活行為であり、個性だ」「心が動けば体も動く」「リハビリを楽しもう」など介護を楽しく語るその雰囲気にすっかり魅せられたのを今でも鮮明に覚えている。

そしてその介護を実践している施設「生活リハビリクラブ」を見に行った時も、衝撃だった。今まで体験してきた何億円もかけたという施設とは違い、古びた倉庫のような建物にまず驚いた。しかも、年寄りとスタッフとボランティアが、ひしめき合い、ごちゃごちゃしてにぎやかで。しかし、そこには生命力が満ち溢れていた。利用者が、いれてくれるお茶を飲み、みんなとだべり、歌を歌う。誰かが「行ってきます」とボランティアと連れだって散歩や買い物に出かけ、「ああ、いい風呂だった」とすたすた歩きながらスタッフと風呂から出てくる。これは施設なのか、普通の家なのか、判別がつかない状況だった。


「オムツ外し学会」のセミナー参加をきっかけに、いろんな施設の見学もしながら介護の修行を積み、新設の老人保健施設の運営も経験した。その後、三好先生のアドバイスでフリーの介護アドバイザーとしてセミナーで教えることになり、2004年にRX組を設立。施設向け介護アドバイスやセミナーを通して、介護に情熱的な人たちがたくさんいるってことが、わかった。けれど、みんな悩んでるってことも知った。みんな理想を持って、介護業界に入ってもそこでいろいろな問題にぶち当たる。

俺のセミナーに初めて参加した人は、初日はびっくりしているけど、帰るときはイキイキした顔で帰っていく。介護する側の人間もモロクて弱いんだ。でも小さな力を組み合わせれば強い力になる。そういう思いも込めて「RX組」と名付けて活動している。そういう意味合いでは、「RX組」が主催する介護技術セミナーは、技術を通して介護の原点を見つめる「心のセミナー」かもしれない。

写真:青山幸広さん
プロフィール
青山 幸広(あおやま ゆきひろ)
有限会社「ケアプロデュース RX組」代表
1966年青森県出身
保育士、老人介護主任を経験後、タクシードライバーをしながら介護修行を重ね、老健の介護長を経てフリー介護アドバイザーとして活動。
2004年、有限会社「ケアプロデュースRX組を設立し、現在は施設向け介護アドバイス、介護技術セミナーの開催、介護人材の育成、介護本・グッズの制作・販売を手掛ける。機械浴、大浴槽からひとり浴(個浴)へ・定時オムツ交換から個別トイレ誘導など、介護における業務改革を実践・指導中。
RX組:http://www.rx-gumi.com
生活とリハビリ研究所:http://www.mdn.ne.jp/~rihaken/
オムツ外し学会:http://www.mdn.ne.jp/~rihaken/Topics/1110omutu.htm

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