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今回は、機械に頼らず人の手で介助し、薬でなく心で寄り添う介護を目指すRX組代表・青山幸広さんのコラムです。新しい介護との出会い、そしてセミナー主催などについて執筆いただきました。

新しい介護の実践(全3回)

有限会社「ケアプロデュース RX組」代表
青山 幸広(あおやま ゆきひろ)

第1回 青山流介護は現場の「?」から始まった

RX組が取り組んでいる「機械浴に入れない」「オムツはしない」「閉じ込めない」「薬に頼らない」介護を実践していて、よく聞かれるのが、「どうしてこのような介護をやっているか」と言うこと。

それは、簡単なことで、介護の現場で、「こんなんでいいの?」と思ったからだった。

例えば、介護福祉士として外科病院に就職してるときのこと。准看護師さんと一緒に訪問看護に回ってると、寝たきりが原因で床ずれしているじっちゃんがいて、じっちゃんと話してるうちに、"起こしてやりてえな、風呂に入れてやりてえな"と思っても、床ずれのガーゼ交換が終わると、准看護師さんに「ゆっくりしてたら回れません」って次へ移動する。で、先に出て行った准看護師さんを見送って、俺はそのじっちゃんを散歩に連れ出し、風呂に入れた。久しぶりに家の風呂に入ったじっちゃんは嬉しそうだったな。で、それを繰り返してうちに、じっちゃんは元気になった。

こんなこともあった。理学療法士の研修中に患者さんを訓練室から病室へ送迎するお手伝いしてたときのこと。訓練室で寝返り、起き上がり、立ち上がりの訓練、歩行訓練や機能訓練などして病室に帰っていくんだけど、病室に帰ったとたん、ベッドに寝たきりでオムツをあてがえられる。せっかく訓練してもまた寝たきりになるなら意味がないと思った。

もしかして、ベッドが高すぎるから立てなくて寝たきりになるのかと思って、レバーを回して、ベッドを低くしても、看護師さんがきて高くしていく。じゃあ、手すりがあれば、立てるんじゃないかと思って、いろいろ工夫してベッドを改良してたら、中に起き上がれる人が出てきて、ポータブルトイレをベッド脇に持っていけば、おしっこしてもらえて、オムツがとれた。看護師さんもオムツ交換がなくなって仕事が楽になった。自分なりの工夫で、寝たきりの人がなんとか起き上がれるよう取り組んだ3か月だった。

そんな経験から、介護の実態に疑問を持ちつつ、そうしていくうちに老人保健施設の立ち上げにかかわることになり、介護施設を見学。当時、風呂は機械浴、オムツは当たり前、食事もほとんど介助、身体拘束も普通に行われていて、そこでさらに介護って何だろうって。

今、実践している「機械浴に入れない」「オムツはしない」「閉じ込めない」「薬に頼らない」介護は、そんな現場の経験からと、じっちゃん、ばっちゃんたち年寄りから教えてもらったことなんだ。

写真:力愛不二〜介護に必要なもの、それは愛と力〜

青山氏の半生を綴った著書「力愛不二(りきあいふに)〜介護に必要なもの、それは愛と力〜」(雲母書房)。
介護の実態とともに、青山氏と介護を受けるお年寄りとの心のふれあいを読み取ることができる。




写真:青山幸広さん
プロフィール
青山 幸広(あおやま ゆきひろ)
有限会社「ケアプロデュース RX組」代表
1966年青森県出身
保育士、老人介護主任を経験後、タクシードライバーをしながら介護修行を重ね、老健の介護長を経てフリー介護アドバイザーとして活動。
2004年、有限会社「ケアプロデュースRX組を設立し、現在は施設向け介護アドバイス、介護技術セミナーの開催、介護人材の育成、介護本・グッズの制作・販売を手掛ける。機械浴、大浴槽からひとり浴(個浴)へ・定時オムツ交換から個別トイレ誘導など、介護における業務改革を実践・指導中。
RX組:http://www.rx-gumi.com
生活とリハビリ研究所:http://www.mdn.ne.jp/~rihaken/

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